2011年10月14日

涸沢紅葉狩り(北穂)

すっかり寒く秋らしくなってきたので、涸沢に紅葉狩りに行ってきました。

とはいえ、なんだかんだ言っても寒いのが苦手なので、久しぶりの小屋泊にしました。この紅葉シーズンの涸沢ヒュッテは、当然のように混雑していて、フトン1枚に2人状態。北穂小屋にも泊まりましがた、こちらはフトン1枚確保でき平和でした。

あと、数日前に雪が降ったため、登山道の状態が気になりアイゼンを持って行きましたが、結果としては、綺麗に溶けていて、雪や凍結のために不安な個所はなかったです。(小屋で人に聞いた話だと吊尾根、奥穂〜北穂も大丈夫とのことでした。)


<1日目(上高地〜屏風のコル〜涸沢)>
行きは、上高地からいつものようにテクテク、テクテク歩き。
そして、徳沢を超えた先の新村橋(しんむらばし)で、ふらっとパノラマ新道(屏風のコル方面)に行ってみることにしました。

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(分岐点となった新谷橋)

いろいろな紹介でも、下山道で登りはおススメできないというこはよく知ってたのですが、ダラダラ歩きにすっかり飽きたのと、一緒に来た初心者を涸沢から上に行けそうか試したかったのです。登りは結構長く、案の定それなりに時間がかかりました。(後悔してないよ)

屏風のコルに着いたころには、日が若干傾いて、ガスっぽい感じでしたが、突然あらわれた涸沢と穂高の眺めはすばらしく、ガスと弱い日差しのため色合いに派手さがなかったものの、やわらか光に照らし出される重厚な穂高の岩肌と高度感はなんとも言えず気持ちよかったです。
少し前に降った雪が、前穂、奥穂の岩壁にうっすらと積もっているのもいい感じでした。

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(屏風のコル付近から本谷越しの槍ヶ岳)

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(逆光とモヤに怪しく霞む北穂の山塊)


荷が軽く疲れがなかったのもありますが、登山のストーリとしては、ここや屏風の頭で涸沢と穂高をでーんと見て、その後穂高に登るというのは、本谷橋経由の林の中からのルートより良かったです。(後悔はないよアピールその2w)
その先の涸沢への下りですが、気温は下がり始めていて北側で登山道が薄暗くなり初めていたので、ちょっとどきどきと凍結してないことを探りながら岩場を4、5か所超えてやっと涸沢ヒュッテといった感じでした。到着したころにはすっかり暗く寒くなり始めていて、なるほど秋の釣瓶落とし。

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(薄暗いカール底からそびえる雪付きの前穂と吊尾根)

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(すっかりテントの減った涸沢村と穂高の面々)

<2日目(涸沢〜北穂高岳)>
今日も引き続き秋晴れ。小屋にいると平和すぎて朝は寝過し、出発は遅れる傾向にある。
が特にそんなに急ぐ必要もない。
改めて、朝の光の中でヒュッテのテラスから紅葉を眺めてみるものの、やはり言われているように例年の紅葉の赤と黄色の鮮やかさが今年にはないようだ。残念。
さて、連れに奥穂か北穂のどちらに行きたいか相談し、北穂に決定した。
南稜ルートを登るのは初めてだ。
南稜ルートは、涸沢小屋脇の沢を登り始め、途中左にトラバースし、左手にある南稜側壁の岩場を登る。
そして、南稜をそのまま登りきるルートだ。
北穂に登る人にとってもっとも優しいルートなのであまり危険個所はないと思っていたが、そこは穂高。
御約束の岩場でドキドキさせてくれる。

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(朝日と残雪で少しさわやかさアピールの吊尾根)

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(粉砂糖をかけたチョコレートケーキのような前穂〜奥穂)

ルート中はすっかり森林限界を超えているので、解放感があり景色最高。昨日苦労した屏風もあっという間に見下ろすようになる。それでもやはりすばらしいのは、前穂北尾根の岩峰群と奥穂高。
見とれながらどんどん高度を上げ岩場を超えると、北穂のテント場に着く。
植物のない岩ばかりのテント場にテントはなく、とても寒そうだ。
そこを少し登ると北穂南峰の基部にある奥穂との縦走路の分岐があり、右手に進路をとりすぐそこに見えるもう一つのピークが北穂(北峰)だ。ただし、その途中に、滝谷側に踏み跡がある。踏み跡をたどり滝谷側に出ると、凍えるような風が吹き上げてくる。眼前には、不気味にそびえたつ黒々とした滝谷の岩壁が見える。そして、ふとこの不気味で寒い場所におじさんが静かにたたずんでいることに気付いた。まさかこの谷を上がってきたのかと思い話してみると、元クライマーで、昔この岩壁の上で写真を撮ったことがあるとのことだ。いやはやと思いながら、登山道に戻り、山頂に向かう。

北穂の山頂に出て、回りを見渡すと分かっていてもため息が出た。
遮るもののない360度の大パノラマ。今まで見えていた、前穂、奥穂の景観もすばらしいが、やはりここから見る大キレットとその向こうの槍の姿は格別だ。笠ヶ岳の上部に当たる斜光も美しい。
裏銀座の山々はかすんで見えなかったが、表銀座の燕(つばくろ)常念・蝶ヶ岳の姿を確認することができた。山頂を降りてすぐそこの小屋に向かう。
久しぶりに来た北穂小屋であるが、テラスからの景色、小屋の雰囲気は他に類を見ない。

小屋では、偶然にオモタテ(山スキーチーム)のメンバーに出会った。
しかも隣のベッド。なんという偶然だ。予定外の久しぶりの再会に会話が弾んだ。


<3日目(北穂高岳〜涸沢〜横尾〜上高地)>
今日も引き続き天気は快晴。

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(朝焼けの静寂の中の前穂)

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(寒そうな北穂テント場越しの奥穂・前穂)

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(朝日に赤く染まる大キレット)

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(朝日に赤く染まる大キレットその2)

テラスから朝焼けを眺め、赤く色付く大キレットを、めいいっぱい防寒して山頂で眺めてから、昨日登ってきた南稜を下る。霜が降りているので、注意して下る。
思い返すと下りの岩場の緊張感は登りほどなかった。なぜだろうと今振り返ると、下りは人が多かったせいかもしれない。他人の気配のないところで、1人で山や岩壁と向きあうと、より正しく自然とそれに向き合う自分の感情を知れるように思う。

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(朝日にさわやかな涸沢岳と奥穂高岳の岩肌)

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(またまた前穂から吊尾根の爽やか秋ver)

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(色づく涸沢小屋まわり)

涸沢まで降りれば、帰りはいつもの本谷橋〜横尾経由を予定しているので、あとは安心だ。
涸沢小屋のテラスで、例の偶然会ったオモタテの友人とのんびりしてから、上高地に向かった。
友人はパノラマ新道で下るそうだ。

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(下山中の紅葉)

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(河童橋から夕陽に染まる穂高)

途中、食欲に負けて、横尾でラーメンを食べてきたのだが、
偶然は続くもので、新村橋の合流地点で、例の友人と、またばったりと出会った。
世の中狭いものだなと笑いながら、薄暗くなった梓川脇のいつもの林道を上高地に向かった。

(終わり)
posted by jun at 19:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 山登りレポ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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